東京には就活情報が溢れている。でも、「正しい情報」は殆ど学生の目に触れることはない。何故か。リクナビも、マイナビも、セミナーも、そしてもしかしたらこの文章も、学生が目にする就活の情報は、殆ど「広告」だからだ。広告はお金を払ってくれる広告主に不利な情報を伝えない。だから、「正しい情報」ではない可能性が高いのだ。
例えばどんな情報が怪しいのか。
「わが社は世界50か国でビジネスを展開しており、、」
→ほとんどの国が駐在社員一人だけ
「お客様第一主義で社会に貢献します、、、」
→社員のほとんどに浸透していない
「イノベーションを生み出します、、、」
→そんな気配のある社員は見当たらない
世の中そんなことだらけだ。嘘ではないけど、額面通りの言葉で受け取ったら損する言葉ばかりだ。
じゃあ、「正しい情報」とは一体どういうものなのだろうか
「誰もが憧れるトップ総合商社。営業に憧れて入ったものの、一度も営業になれないまま、総務系の仕事ばかり。仕事はつらいけど、それでも、自分は仕事を一度もつまらないと思ったことはない。国をつくり、未来をつくる仕事に誇りを持って働いている。」
「日本で一番安泰といわれている、某メーカーの採用トップが高らかに叫ぶ。「わが社はある意味、宗教法人だ。巨大な組織に染め上げられ、クリエイティブな仕事は何もない。それでも、日本のGDPの10%を担うこの会社は、日本を守るという志を持って働くことができる。意志を持って会社と社会に貢献する覚悟のある「社畜2.0」を我々は求めている。」と。」
「商社に入っても事務仕事ばかり」「大手メーカー社員は社畜」「それでも誇りを持って働ける」「そうでない社員は辛そう」これらは、僕がこないだ主催したイベントに来たくださった社会人の方々の本音の言葉だ。こんな風に、良いところも悪いところも全部知らなければ、就活生は満足な意思決定をできるわけがない。
改めて問います。あなたは「正しい情報」を得ていますか?本当に今持っている情報だけで十分ですか?
「正しい情報」を得る方法はたった一つしかない。「自分で頭と足を動かす」ことだ。メディアに載っている情報は殆どお金で動いているから、信用してはいけない。自分で足を動かして、社員のもとに赴き、質問をして、その答えの真偽を自分の頭で判断する。地道で泥臭いけど、それしか方法がないのだ。
「嘘」にまみれたこの就活で、「正しい情報」は自分の目と足で取ってくるしかない。就活に限らず、この社会で生き抜くために必要なスキルだ。ところで、貴方はこの記事を信じますか?
This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)