大学進学(国内・海外)

「大学生」になるということ。

今の日本の殆どの大学生は、形だけの「大学生」なのかもしれない。多くの大学生は就活で安定した企業にいくための手段として大学を位置付けており、そうでなければ働く前のモラトリアムとしてしか大学を位置付けていない。

教養を身につけること、それにより自分の精神を自由にすること、自分と社会を広く知り、深く考え、人生の「意味」や「真理」を知ろうとすること。自らが興味のある専門性を深め、世の中と自分の豊かさに貢献しようとすること。そういったことへの興味は全く割かれていないのである。

そうではないと言うのであれば、この今の大学生の惨状をどう説明するのか。大学4年間を無目的にサークルとアルバイトに明け暮れ、授業は単位を取るための道具と化し、レポートやテストはカンニングとコピペの温床だ。

もちろん目的を厳格に定めてマシーンのような大学生活を送れと言っているわけではない。「何のために大学に行くのか」この問いを少しでも今の高校生・大学生に考えてほしいだけなのである。

どうしこんなことを言っているか。それはというと、僕の同期(社会人56年目)あたりが非常に苦しんでいるのを沢山見ているからである。

「自分が何のために働いているのかわからない」

「お金だけたまっても、心が満たされない」

「転職しようにも自分が何をやりたいのかわからない」

そんな声が数えきれないほど僕の耳に届いている。

昔は別に「働いている意味」なんてものを感じる必要は無かったのかもしれない。ただ仕事をし、ご飯を食べ、子どもを養い、いい車に乗って、それが幸せのカタチだった。でも、僕らの時代は少し違う。社会に貢献したいとか、自己実現をしたいとか、そんなことも幸せとするようになってきた。

もちろん、幸せのカタチは人それぞれだ。でも大事なのは、自分はどんなことに幸せを感じるのか。それに自覚的になることではないだろうか。それを意識しながら、自分の人生の主体的に選択していくこと。それこそに、今の若者が陥っている悩みを解決するカギがあるのだと思う。

一番良くないのは何か。それ、は現実を見てみぬふりして自分が行きたい方向から遠ざかってしまうことではないだろうか。

「本当はああなりたいけど、自分はあの人とは違うから」

「本当はやってみたいことがあるけど、自分には無理だ」

そんな風に自分を言い聞かせて、自分からやりたいことから遠ざかってしまう人たちがいる。

すごく、勿体ない。

社会人になればわかる。

「あの大学4年間で、少しでも意味のあることをしていれば、人生はもっと違ったものになったのになあ」と。

人生はいつからでもやり直せるが、そのためのコストは齢を重ねるごとに恐ろしく高くなってくる。

僕自身も、自分の大学生活に関しては幾ばくかの後悔はある。もっと早くから社会のことを沢山知る活動をしていれば良かったとか、コンビニで1年半もバイトなんてしなければ良かったとか。

いくら悔もうとも、過ぎ去った時間は戻ってこない。時計の針は、戻らない。何も心の軸を持たないまま社会人になれば、刻一刻と現実が僕らに重くのしかかる。

「社会に出て、お金を稼がなければならない。」

「日々の仕事をこなさらければならない」。

そんな「べき論」が皆の身体と心を縛ってしまうのは、そう遠くはない未来なのである。

そうなる前に。「べき論」から解放されるための力を得られるのが、この「大学生活」という期間なのだ。僕はそう感じている。

大学で学ぶ教養は、世の中の当たり前が当たり前ではないことを教えてくれる。貨幣のカタチや労働の意味が時代によって変わること。家族のカタチや女性の立ち位置、戦争の有無。

知れば知るほど、学べば学ぶほど、新聞やテレビの言っていることがいかに表面的で、僕らはそれに左右され過ぎていることに気がつくはずだ。世の中の原理をわかることで、僕らはそういった謎の「常識」というものから自由になることができる

さらに。大学生活の自由な時間は、日本中世界中の見聞を広めるのに好きなだけ使える。もちろん、すぐにはお金にならない趣味をずっと続けて、いつのまにか卒業するころにはその道の専門家になってお金を稼げているというものありだろう。

大学生という身分だけでインターンシップで様々な社会経験をすることができ、奨学金や留学の機会などをたやすく得ることができる。

大学生というだけで社会から期待され、様々な恩恵が得られ、失敗も許容される。こんな特権階級が、この国にはある。

しかしながらこの国の大学生は、その特権をほぼ全く行使していない。ただ「大卒」という資格を得るがために、大学に通っている。

なぜか。これはあくまで僕の仮説だ。たぶん、ほとんどの大学生は「大学生」というものになりたくてなっているのではないと思う。ただ「親が周りが言っているから」「大学に行かないと就職できないから」という「べき論」だけで大学に行くことを決めているのではないだろうか。

ああ、もう。凄くすごく勿体ない。大学生活でできることは、もっともっと沢山あるはずなのに。きっとずっと楽しいこともできると思うのに。

僕は10年間の大学&大学院生活を過ごしてきた。そのおかげで、恐らく日本で一番、大学生の在り方に詳しいと思う。ゆうに全国47都道府県1万人以上のサンプルがある。なんなら海外トップ大学進学者のもたくさん事例がある。

決めた。僕は、大学生の楽しさ、楽しみ方を、日本中に全力で広め、伝えたいと思う。大学生でできることを、その無限の可能性を、後輩に遺していきたい。

今すでに大学生でくすぶっている人達、中高生でこれから大学生になろうと思っている人達、中高大のお子さんがいらっしゃる保護者の方々、はたまた進路指導の先生方。すべての若者とその生き方に関わる人達に、届けたいと思います。

以下はテーマの候補です。皆さんから「他にこんなテーマが欲しい」とかがありましたら、ぜひご意見お願いします。

お届けする方法は文章か動画かは決めていませんが、基本的にはLINE@で連載をしていきたいと思います。読んでみたい方は、こちらから登録どうぞhttp://bit.ly/2oqJGOm

もくじ

1、大学生の現状と問題点。高校のキャリア教育の問題も踏まえて。

2、本来大学とは?世界の大学と日本の大学の歴史

3、大学のカタチの最先端と未来。世界の進化と日本社会のこれからを踏まえて

4、大学生にできること

 A、学問、教養、研究の意味とその実利。文理の壁やゼミ活動も含めて。

 B、アルバイトの是非とそこでの学び

 C、サークルや自治会の種類とその活用法

 D、部活の実態とそこでの学びとその功罪

 E、大学生における恋愛&結婚緒論

 F、マルチ商法、ドラッグなど。大学生を待ち受けるダークサイド。

 G、学生団体の歴史と未来。得られることとその限界。

 H、インターンシップの種類と活用方法に関して。国内外、非営利含む。

 I、留学の種類と注意点に関して

 J、奨学金の取り方と活用法や注意事項に関して

 K、転入、転部の事例に関して

 I、休学の広がりと活用法と事例

 J、退学、復学に関して

 L、大学院進学の意味とあり方に関して。学歴再チャレンジも含めて

 K、博士課程と研究者にまつわる緒論。海外と日本の比較なども。

 L、海外学部進学、院進学、海外大学の在り方について

 M、就職活動の歴史とその実態。海外就職含めて。

 N、学歴格差、地方格差について。地方学生の在り方について。

 O、作品創出、趣味の追求の世界について

 P、寮生活や一人暮らしの種類とメリットデメリット

 R、学生起業に関する歴史と考察。その多様性含めて。

 S、テクノロジーと大学生における学びに関して

 T、保守的な家庭と自由な大学生活の折り合いに関して。親との向き合い方。

 U、メンターのススメ。社会の偉大な先人を味方につけるということ。

 V、コミュニティ・活動・運動。世の中の流れを創り出す大学生

 W、夜間大学、通信制に関して

 X、社会人における大学での学びなおし、大学院進学に関して。リカレント教育。

 Y、留学生との付き合い方や、多言語取得に関して

 Z、現代の日本人大学生が囚われている幻想とその解除方法

 a、やりたいことの見つけ方とその実践

 b、資格取得に関するメリットデメリット。資格の未来。スキルに関する緒論

 c、大学生とお金にまつわる総論。ソーシャルファイナンス含めて。

 d、読書の技法とその意味に関して

 e、旅行、ヒッチハイク、世界一周の実現方法と、旅の価値

 f、大学時代の人脈形成における要点。対話の技法と感情および思想の表現含めて。

 g、情報検索、収集、活用、発信技術とその意味に関して

 h、医学部、薬学部、看護学部の大学生活の過ごし方とキャリア

 i、教員、保育士を目指す大学生活の過ごし方とキャリア

 j、美大、音大における大学生活の過ごし方とキャリア

 k、スポーツに関わりたい人の大学生活の過ごし方とキャリア

 l、一次産業、食、環境に関わりたい人の大学生活の過ごし方とキャリア

 m、官僚や公務員を目指したい人の大学生活の過ごし方とキャリア

 n、アナウンサーやテレビ局、メディア関係のキャリアを目指す人の大学生活

 o、国際公務員、海外NGO、青年海外協力隊などのキャリアを目指すために

 p、役者、音楽家、表現者としてキャリアを歩むために必要なこと

今のところざっくりとこんな候補です。LINEでの連載にしようと思っているので、読んでみたい方はこちらからぜひ登録お願いしまーす。http://bit.ly/2oqJGOm

 

This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)