哲学

「やる気格差」を無くしたい

 1万人の大学生と出会ってきて思うのは、あまりにも「やる気」に格差があるということ。地方とか特に顕著なんだけど、「自分が何かをできる」ということを信じられず、漫然と日々を過ごしてしまう人がとても多い。一方で、学生起業や留学やインターンなど、自分のやりたいことに向かって思いっきり行動する人もいる。この格差は、どうしてできてしまったのだろうか。

 別に彼らに「元々やる気が無かったのか」と言えば、そうではなくて、たぶん、得意なこと、好きなことはあったはずだ。絵を描くのが好きとか、分析するのが得意とか。

 でも、日本の近代型教育は、それを伸ばすような教育ではない。むしろ、人を型にはめ、好奇心や自信を根こそぎ奪う教育なのだ(一部の学校や人はそうではないが)。

 じゃあ、やる気を伸ばすにはどうしたらよいのか。それはもう、その人の「やる気スイッチ」を連打するしかない。講演とかセミナーとかの単発ポチじゃ足りない(悪くはないんだけど)。講演が終わった後に行動する人は、たまたまその内容が本当に刺さった1%くらいだ。

 本当に必要なのは、対話によってその人のやる気スイッチをピンポイント見つけること。そしてそのまま行動を伴う環境に放り込み、「やる人できる人」の周りに置くこと。それにより、「自分でもできる」と信じ込ませることだ。そういう環境にいれば、常時その人のやる気スイッチは、押されている状況になる。

 しかしながら、今のところ、やる気スイッチを押せる人は少ない。そして、そういう環境へのアクセスも、東京の一部コミュニティに限定されてしまっている。それを、日本全国誰でもアクセスできるようにしたい。青森にいようとも、鳥取にいようとも、世界中のどの分野にでもアクセスできるようなネットワークをつくりたい。

 それには、ただメディアでの発信だけではダメだ。その方法でかつて多くの人が失敗している。メディアに対して能動的にアクセスする人は、すでにやる気のある人だ。そうではない人にアクセスするためには、草の根で、人とのつながりで、泥臭く動く仕組みをつくらなくてはだめだ。

 しかし、人とのつながりによるやる気スイッチのプッシュには限界がある。押す人の世界観が狭いと、押せるスイッチの種類は少ないのだ。例えば、群馬の外に出たこと無い人が、「時計に興味がある」と言う相談相手に、スイスの時計工場や諏訪の精密機器の工房は紹介できないだろう。

 そこは、AIITの出番だ。やる気スイッチを押す人の世界観を広げるサービスであったり、世界観が狭くても十分な相談が受けられるシステムを、僕なら作れる。

 コミュニティ、テクノロジー、ビジネス、政治、あらゆるものを使いながら、人の可能性を最大限まで引き出せるような仕組みを、本気で実現したい。それこそが、沈みゆくこの国を、復活に導くための、一番大事なカギだと思っている。

 日本のみならず、これを僕は世界中で実現したい。そしてその先にある、全ての人が生き生きと暮らす世界を見てみたい。それが僕の当面のミッションであり、成し遂げたいことだ。

さあ、やってやりましょう。

 

This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)