インターン(国内・海外)

「大学9年生」が「大学1、2年生」に伝えたい4つのこと

 12年生の皆さん、はじめまして。喜多恒介です。僕はいま、「大学9年生」です。東大に6年間通ったあと、SFCの大学院で3年目を迎えました。オリンピックが終わるくらいまで学生をやっていると思うので、卒業は皆さんと同じくらいですね(にっこり

 それはさておき、大学9年目の僕から君たちに、ある秘訣をお伝えしたいと思います。それは、大学生活を意義あるものにするための4つのステップです。

 僕も大学12年生のころは大学生活で何をしたらいいのか全くわからず苦労していました。こういう面白そうな有給長期インターンとかの情報は全く入ってこず、コンビニでただたらバイトする日々でした。バイトするくらいだったら、絶対にインターンしたほうがいい。

 例えば、このガイアックスという会社での地方創生のインターンは、有給(月525万円)だし、様々なスキルや経験も身につく。詳細はこちらhttp://bit.ly/2pkBtdh

 もちろん、このインターンに参加するだけで大学生活が万全かというと、そうでもない。云千云万の選択肢が世の中にはあって、君たちはその中かららいくつかを選択しながら人生を歩んでいかなければならない。むしろ、その選択次第で人生は大きく変わっていってします。

 でも、そこで気になるのが、「そもそも一体どんな選択肢があるの?」「どんな基準で選択肢を選べばいいの?」ということだと思います。しかも、それは、教授も先輩もあまり教えてくれない。昔の自分のように、多くの学生が困っていることだと思います。

 そんな後輩のために、僕はひと肌脱ぎたいと思います。一応、大学生活9年間もあったので、日本一周みたいな旅も、世界のリーダーが集う会議も、飲んで楽しむサークルも、意識の高い学生団体も、世の中を変えるための起業も、自分と社会を探求する学問も、身を焦がすような恋愛も(え、一通り経験してきたので、何か皆さんのお役に立てることはあるんじゃないかと思っています。

以下、僕の思うところを4つにまとめてみました。

1、 大学生活の選択肢を知ってみよう。

 大学生活は自由なように見えて、実際できることは大きく分けて10個くらいだと僕は思っています。リストアップしてみると、

A、 アルバイト

B、 サークル、部活

C、 恋愛

D、 旅、旅行

E、 趣味の探求

F、 学問(教養、ゼミ、研究)

G、 資格や技術の取得(弁護士、公認会計士、プログラミングなど)

H、 留学

I、 学生団体、NPO、インターン(短期、長期)

J、 起業

 みたいなかんじです。99%の人はこの枠組みに収まっているんじゃないかと思います。

 まずこの選択肢を知っているか否かで人生、変わってきます。普通の1年生は大体AE、良くてAGくらいしか視野に入っていないと思うんだけど、実際はH~Jを経験するかしないかで、社会に出たときに大きな差ができてしまう。なので、ちゃんと見ておきましょう。

2、 選択肢から選ぶ。その前に。

 そんな偉そうなことを言っておきながら、僕も12年生のときはAGまでしか見えていませんでした。結果どうなるかというと、「ファミマのアルバイトしながら、稼いだお金をサークルとクラスの飲み会にひたすら突っ込む」という日々を送っていました。たまに長期休みにサークルの友達と旅行に行ったり、一人旅で日本を回ったりしながら、「いやー、大学生してるなあ」と悦に入っていました。

 高校生時代の「部活と勉強の日々」から考えると圧倒的に自由で楽しい日々だったので、当時は何も違和感はありませんでした。そんなゆとりな日々は、大学2年生の12月ごろ、突然終わりを告げました。飲み会からの朝帰りで、一限をサボって家で寝ていたとき、母親からの一言で僕の目が覚めました。「あんた、一つも面白くないわね。ゴミよ、ゴミ。ゴミは家におけないから、今日から家を追放ね。」と。

 遅れた反抗期を迎えていた僕もここで言い返します。「せっかく勉強して大学入って、授業もまじめに出て、バイトでお金も稼いで、サークルも楽しんでる。就活だって東大だから多分大丈夫だ。一体何がいけないんだ。みんなそうしてるじゃないか。」

 母親はあきれます。「あんた何もわかっていないわね。」と。反抗期の僕は、ブチ切れます。「わかった、面白くなればいいんだろ。今日から僕はホームレス東大生だ!」。と叫んで、埼玉の実家から飛び出し、代々木公園とマンガ喫茶と大学の研究室に住処を移しました。

 そんなコントみたいな僕の話はおいといて。今の時代、アルバイトだろうとサークルだろうと勉強だろうと、どれも中途半端にやっている奴はNO VALUEらしい。東大生だろうと何大生だろうと、ゴミのような扱いを受けるわけです。

 何故か。そんなぐーたらの生活を続けている奴は、「大学を卒業して社会に出たときに役に立たないから」です。社会におんぶに抱っこだった僕らは、いつかは大学を卒業し、社会に出て、社会を支え、次世代にバトンを渡していかなければなりません。大学は、そのために学び、経験を積み、社会に出る準備をするための場なのです。

 ここまで読んでくださった皆様なら、僕が色々と中途半端になってしまっていた理由は、もうお分かりだと思います。

「大 学 生 活 で 一 切 目 的 を 設 定 し て い な か っ た」からです。

 「目的意識」を持たずに大学生活を過ごした学生がどうしてゴミになりがちかというと、例えるなら、「太平洋のど真ん中に目的地もコンパスも無しで漂っている小舟」の状態だからです。

 いや、昔はこれで良かったんですよ。太平洋に大きな海流があったから。日本経済が上向きで、大学を卒業したら必ず雇ってもらって、大企業に入社できれば、あとは安泰。ルーティーン仕事をしていれば、お給料がもらえて、家庭が築けた。

 ところがどっこい、今はそんな時代じゃない。日本の財政は破たん寸前。数十年後には40%が爺さん婆さんの異次元の高齢化社会。地方を中心に社会問題が山積する。人工知能とロボットが普及し、ルーティーン仕事をする人間は必要なくなる。

 こんな荒れ狂う海に出ていくために準備ができる最後の期間が、大学生活だ。「社会を変えたい!」という意識の高さまで持てとは言わないけど、せめて「自分は何が好きで、何ができて、やりたいことはこれで、社会ではこう役に立てる」のような「人生のコンパス」くらいははっきりとさせよう。大学は、それができる場所だと思います。

3、 選択肢から、選ぶ

 さて、話を戻しましょう。A~J、どの選択肢を選びましょうか。基本的に、大学生活はたったの4年間しかない。時間的に全部をずっと続けることはできない。でもぶっちゃけ、何を選んだらいいのかはわからない。わからないなら、どれも少しずつ試してみたらいいと思う。試してみて、どれが自分に合っているかチェックしてみたらいいと思う。一番やっちゃいけないのは、「わからないから、その場で立ち止まる」こと。立ち止まってたら、永久にわからないままだ。

ここでは、大学1年生には想像しづらい、F~Jの選択肢の意義をわかりやすく説明してみたいと思う。

F、学問

社会で生きていくうえで、学問の意味は何か。諸説あるけど、この文章の趣旨に合わせてかみ砕いた言葉にすると「社会で活躍するために読まなければいけない説明書」だと僕は思っています。学問には、人類社会が積み重ねてきた知識が詰まっている。僕らはそれを活用して社会を回しているのだから、まずはその知識を読み解きましょう、ということだ。むしろ説明書を読まずに社会に飛び込んで、高度な仕事ができるわけがない。

 学問が自分にどう役に立つかというと、主に二つだ。一つは、自分のやりたいこと、好きなことを見つけるためだ。いろんな説明書をぱら読みすれば、一つくらいはピンとくるものがあるでしょう。図書館を歩き回って、タイトルだけ眺めて、気になるものをメモするだけでも、自分の志向性がわかるのでおすすめ。世界中の知識に触れて、一つもピンと来ないなんてことは、そうそうない。もう一つは、自分のやりたいことを深めるためにも役立つ。自分のやりたいことは、古今東西、誰かが既に研究し、たどってきた道だから。せっかく先人が開拓してくれた道を、使わない手は無いでしょう。

G、資格

 資格は、「この人は説明書を読んだことがあって、この機械を動かせますよ」という証明にしか過ぎない。でも資格が無いと触らせてもらえないチャンスが世の中に沢山ある。医者とか、弁護士とか、教師とかがそれにあたる。社会的に責任が重大な仕事だから、国がその品質を保証しなければいけない。だから、資格があるのだ。

 でも、資格は君の人生を保証しない。大事なのは、その資格を使って、君がどう社会に役立つかだ。人工知能が出てくる中で、一番影響を受けるのがこの資格保有者だ。医者も弁護士も、基本的には人工知能に代替される。僕の東大の知り合いの作った人工診断システムは、同じ条件なら人間より精度よく診断を行う。

 教師も、ただ科目を教えるだけの先生はもういらない。リクルートの出した月900円のスタディサプリの動画で十分だ。求められるのは、子供たちに寄り添い、導く一人の人間としての先生だ。社会に求められる人になるには、大学生活で資格を取るだけでは不十分で、様々なインターンや現場に出て幅広く世界を見て、多様なサービス受益者と意思疎通する力を磨いていかなければならない。

H、留学

 「グローバル化する社会で、留学は必須なのだろうか。」個人的な見解なのだけど、僕は必ずしもそうではないと思っている。今後、一億総中流の日本社会は終焉を迎え、社会は二極化してくる。

 一方は、世界と協力し社会を進歩させる価値を生み出していく人材。もう一方は、日本国内で日本人だけを相手に既存の枠組みを維持管理する人材。

 後者の生き方が良ければ、留学は必須ではないと僕は思っている。国内に外人は増えてくるから多少の英語が話せれば、仕事に特に不自由することはない。

 でも、前者の生き方をするのであれば、留学はほぼほぼ必須だと僕は思っている。ただ、僕の言っている「留学」は君たちの思っている留学とは違う。必ずしも英語やフランス語が話せるようになる必要はないし、海外の大学で勉強する必要もない。僕の言う留学は、「不慣れな海外の土地で、多様な価値観に揉まれながら、現地の人とそこそこ上手くやっていく経験」のことを言う。

 だから別に海外旅行でもいいし、海外プロジェクトでもいいし、海外インターンでもいい。むしろそっちのほうが海外に行って机にかじりついているよりよっぽどいい。

 そして、いまこの日本では留学に行くハードルがとてつもなく下がっている。国が「トビタテ留学JAPAN」という奨学金をつくったおかげで、

「年間1000人(倍率は3倍しかない)」

「最大年間300万円の返済不要で給付」

「期間も、行く国も、やることも全部自由に自分で決められる」

という最高の留学ができるようになっている。就職も、留学をちゃんと経験すれば圧倒的に有利になる。先ほど言った通り、有名企業はすべからく海外進出をしようとしているので、グローバル人材を喉から手が出るほどほしいのだ。

トビタテの詳細はこちらからhttp://www.tobitate.mext.go.jp/

I、学生団体、NPO、インターン(短期、長期)

 上述の通り、社会が強く求めるのは、単純なルーティーンを回す人材ではなく、社会の課題を解決し新しい価値を生み出す人材である。で、それはサークルやアルバイトをヘラヘラしていて、なれるものなのだろうか。もちろん、答えは否である。できることなら、学生時代から社会の課題に対してコミットして活動した経験があるほうが、望ましい。学生団体活動や、NPOや企業でのインターンは、まさにその経験ができる場だ。

 しかし、今まで社会経験の無い大学1年生は、どの学生団体やどのインターンがいいかが、わからない。わけのわからないまま適当に選んでしまうと、無給のブラックインターンだったり、なれ合いの学生団体で、貴重な時間を浪費することになる。

 47都道府県を回ってきた僕の経験則ではあるのだけど、世の中にあるインターンや学生団体の8割くらいは、ほとんどお遊び程度のバリューしかない(環境が良くても学生側がお遊び気分である場合も含めて)。

 有意義なインターンや学生団体かどうかを見極めるためのポイントを一点挙げるとすれば、「代表に強いビジョンや想いがあり、事業が拡大しているかどうか」だ。

 代表にビジョンがありセンスのいい事業の仕組みがあれば、組織はスピーディーに動いていくし、それに応じて事業が拡大し、タフな仕事が回ってきて、成長できる。もちろん、それだけその組織にコミットしなければいけないのだが、得るものは大きい。

たとえば、さっきも紹介したけど、ガイアックスという企業の長期のインターンは、お給料も出るし、やりがいもあるしおすすめだ。こういうのをぜひ自分でも探してみてほしい。詳細はこちらhttp://bit.ly/2pkBtdh

4、 自分の個性が、社会にどう活きるのかを見出す

 A~Jの選択肢を一通り経験すれば、自分のことも、社会のことも、大体わかってくる。自分は何に興味があって、何が得意で、どんなときに頑張れるか。今社会はどんな時代で、どこの領域で、何が求められているのか。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉にある通り、社会を知り自分を知れば、自分が活躍する場を見出すことはそんなに難しくない。

 繰り返すけど、それができるのが大学生活であり、人生でそんな機会はまたとない。アルバイトとサークルに明け暮れた日々は、二度と戻ってこない。「皆がそうしてるから」の一言で自分の道を選ぶのは、もうやめにしよう。この衰退国家で皆と同じことをしていたら、一緒に沈んでいくだけだ。

 なんで僕がこんなにしつこく語っているかというと、これこそが、僕が大学9年間で知った、一番大事なことだからだ。大臣や日銀総裁と議論し、国の政策を学び、大企業会長から企業人事と意見を交わし、世界を見渡し、全国47都道府県を回り、1万人の学生と議論して出した結論が、「僕らが世の中を知り、行動していくことが、社会をよりよくする一番の方法だ」ということだ。

 そのために、色んな面白いイベントとかインターンとかは、もちろんこのページで紹介していく。でも、理想を言えば、自分の足で情報を取ってきて、自分の頭で判断して行動できるようになってほしい。

 

This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)