1、 留学をすると就活に不利なのか?
不利ではない。むしろ、海外の異文化の中で学び成し遂げた経験は、就活にとってもプラスであると、多くの企業人事が明言している。ただ、ここで注意すべきは、「海外の異文化の中で学び成し遂げた経験」を評価しているのであって「留学」という漠然とした経験自体を評価しているのではないのである。しっかりと学び成し遂げた経験のある学生は、留学前では考えられなかったような人気企業から内定をもらえる事例も多数存在する。
2、 とはいえ、就活で苦労している帰国生を見かけるけど、どうして?
就活時期に留学に行くと、日本企業のサマーインターン、オータムインターン、企業説明会などに参加できない場合がある。そうするとキャリア観が深まらなかったり、企業や業界の知識が足りなかったりなどの面で表面上、他の学生より不利になる場合がある。だが、「留学先の企業でインターンシップする」や「早期からインターンシップは済ませておく」や「そもそも就活と被らないように留学に行く」などの方法で十分リカバリー可能である。
3、 どうしても就活の面接に物理的に間に合わない場合はどうすればいいの?
メジャーな選択肢としてはボストンキャリアフォーラムで、一気に短期間で内定を取りに行くこと。最近は三菱商事などが、帰国者向けに時期を遅らせて選考を始める試みも増えてきている。あとこれは裏技ではあるのだけど、企業の担当者にちゃんと事情を話して熱意を伝えれば、特別にスカイプ面接になったり、期間をずらしてもらうこともできるようだ。第一、企業としても、そこまで熱意のあるグローバルで優秀な学生を門前払いする理由は、殆ど無いのだから。
4、 留学経験が面接であまり評価されなかったのはどうして?
それは、漠然とした目的意識で留学に行って、なんとなく語学を勉強しただけだったからではないでしょうか?人気の大企業やベンチャー企業になると、ただの留学だけでは役に立たず、ちゃんと自分の目的意識を持って海外でタフな挑戦をして乗り越えた経験が求められます。そもそも社会人とはそうやって仕事をするものなので、考えてみれば当たり前のことです。なので、留学経験が評価されなかったのではなく、その目的意識の無さが評価されなかった、と捉えていただければと思います。
5、 留学に行って世界が広がりすぎて、逆にやりたいことが見えなくなってしまったときは、どうすればいいの?
そういうときは、もう一度留学にチャレンジしたり、休学してインターンしてみたり、大学院に進学してみたり、とりあえず就職して2,3年後にまた自分のやりたいことを再開したり、NPOと掛け持ちして就職したり、起業したりなどなど、様々な選択肢があります。要は、広がった世界の中からちゃんと自分のやりたいことを見定めて絞るために、地に足つけて動いてみましょう、ということです。
まとめると、留学は、「自分のなりたい姿のために、計画的に実行するアクション」だと僕は思っていています。留学前後にきちんとしたキャリア選択のためのアクション(インターンやセミナーやOB訪問)を行っていないと、結構痛い目に合うことも多い。そうならないためにも、早め早めから自分のキャリアプランと留学プランを練っておく必要がある。
This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)