「答え」なんて求めてんじゃねえよ。学生がよくする「どの会社に行けばいいんですか?」とか「どちらの選択肢を選べばいいんですか?」とか「人生に正しい答え」を求める質問、マジ終わってるから。この質問をした時点で「ああ、この人はこのままだとこの世の中で価値を生み出すことができないんだな」って思ってしまう。
そもそも、「正しい答え」とか人生で無いから。実際に人生の方程式は100元100次方程式とかそれ以上の複雑性を持っているから。そんな方程式解けるわけないでしょ?
どういうことかわからない人のために、会社選びにおける方程式の一部を公開したいと思う。この方程式を解けると思った人は、人生で答えを見つけたらいいと思うよ。絶対できないと思うけど。
「会社が倒産するする確率」 ×「倒産したとしても次の自分が望む転職に値するに十分なスキルが身についている確率」 ×「独立したいと思った時に最低限必要なスキルおよび環境が整っている確率」 ×「自分の友人が独立して自分を誘う確率」 ×「上司がイケてる確率」 ×「いいい上司が転職しない確率」 ×「自分のやりたい部署に配属される確率」 ×「自分のやりたいことが変化する/しない確率」 ×「自分の介護や死別で家庭環境が変化する確率」 ×「結婚や出産で自分のプライベートが変化する確率」 ×「社内カルチャーに自分が合っている確率」 ×「社内カルチャーが事業成長に伴い変化しない確率」 ×「会社のミッションに対して自分が共感する確率」 ×「会社のミッションや経営陣が変化しない確率」 ×「社会的な情勢により世の中のニーズが変化する確率」 ×「技術の進化により世の中の需給が変化する確率」 ×「政策の変化により働き方や起業インセンティブが変化する確率」 などなど
これらをすべて考慮して、
さらには 「自分の価値観に対して各変数に重みづけをして」、
かつ 「変数間の関連性も全て式を立てたうえで」、
さて、 最適解または最大値を与える選択肢を出すことはできますか?
いや、無理でしょ。こんなの誰もできない。
特に、「自分の価値観に対して、どの確率が大事か」を判別する作業は、完全に自分しかできないので、他人に頼ることがいかに意味が無いかが、わかってもらえると思う。
だから、人生の100%正しい答えなんて絶対に出せない。
基本的に人から情報を集めながら、自分で答えを出していくしかないし、しかも100%正しい答えがでないから、毎回失敗しながら少しずつ修正を加えていくしかない。
ゆえに。「どの会社に行けばいいんですか?」とか「どちらの選択肢を選べばいいんですか?」とかそういう質問をする人がいかにナンセンスなのかが、わかってもらえたと思う。
この過程において大事なのは、「問いを生み出す力」だ。常に何かが正しくないという状況においては、「これはこうなったほうがいいんじゃないか?」や「どうしてこれはこうなっているんだろう?」という「問い」を生み出さないことには、前に進めない。
たとえば、君の目の前にハンバーグがあったとする。一口食べて何かしっくりこなかったとする。君は美味しいハンバーグをつくって食べたくなった。さあどうする。
「なんとなくおいしくないけど、どうすればいいのかわからない」という状態では前にすすめないだろう。
「焼き方がまずいんじゃないか?」とか「お肉の質がまずいんじゃないのか?」とかそういう「問い」を出す必要がある。
さらに詳しくすれば、「焼く素材の問題なのか」「焼く温度の問題なのか」「焼くときにひっくり返すタイミングの問題なのか」どんどん「問い」を細かくしていかないと、具体的な改善にはつながらない。
自分のキャリア選択に対しても、一緒ではないだろうか。自分自身の価値観という、「ブラックボックス」の存在にいかに「問い」を立てていくか。社会という全く分からない存在にいかに「問い」を立てていくか。
そういうことができない人は、自分の人生を前に進めることができない。
だから、僕は声を大にして言いたい。 「答えを求めるな」 「問いを生み出し続けろ」
「常に問いと向き合い続けろ」 一生まずいハンバーグを食べ続けたくなければ。
This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)