私は、とある私立大学の3年生だ。
今、自分の夢を叶えるために、休学しようか、とても迷っている。
休学し、留学や、東京でのインターンシップをしたいのだ。
しかし、この夢を阻む制度が、この大学にはある。
そう、休学するのに、50万円支払わなければいけない制度だ。
他の大学は、休学に殆ど費用は掛からないのに、なんで私の大学だけ。
悔しい。
東大をはじめとした、国立は0円。慶應も7万、早稲田も10万円かからない。
彼らは、どんどん、休学して色んなチャレンジをして成長しているのに、
なぜ、私には、チャンスすら与えられないのか。
これでは、田舎の私立と、東京のピカピカした大学の差は、まずます開くばかりだ。
私には、休学をするための50万円をひねり出すほどのお金が、無い。
家が貧しく、第一種奨学金をもらっている身だから。すでに、借金だらけだから。
大学無償化も、私の年齢には間に合わない。たった数歳違うだけで、人生が変わってしまうなんて、不公平だ。
私の大学は、留学サポートが手厚いとか、就職に強いとか、謳っているけど、あれは嘘だ。つまらない留学、つまらない就職先に無理矢理押し込むのが得意なだけで、生徒の個性に応じた留学や就職には、酷く冷たい。そんな大学だ。
国際交流課は留学協定校の情報を知らない。こないだ、協定校にコンタクトをとったら協定関係は期限切れだと通達された。ビジネスの世界で契約更新されて無かったら普通気づくと思う。酷い話だ。
話に聞けば、ほかの地方私立大学も、似たようなものらしい。事務の不手際で奨学金に対応していない、休学費用が50万も100万もかかる、そもそも教授が休学を認めない、形だけのおままごとインターンシップ、そんなのばかりらしい。
学生の本文は勉強だって言うけど、そんなのも嘘だ。そんなのが就活で役立ったって言う先輩はひとりもいない。自分のやりたいことを見つけたうえで、その分野の勉強ができるなら話は違うんだろうけど、私には、自分のやりたいことを探すチャンスも与えられない。多分、多くの地方大学生もいっしょだ。
海外での経験も、東京での挑戦も、全部夢のまた夢だ。
そんな、やりたいこともわからないまま、ただただ働くだけのような人を量産する、地方私立大学なんて、全部消えてしまえばいい。毎年100万以上の高い学費を払って行く意味なんてないじゃん。
完全に、騙された。
大学に行けば、何とかなるんじゃないかと思っていたけど、
私もバカだった。
私もバカだけど、地方私立大学に行く人も、みんなバカだ。
いや、自分がバカだということにすら気がついていないのかもしれない。
詐欺師の地方私立大学と、自分が騙されていると気がつかないバカ大学生。
本当に救われないコンビだ。
どうにかするには、もう地方私立大学に消えてもらうしかない。
それが、私の言いたいことだ。
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ーこれは、先日お会いした東北の私立大学の学生の声です。
このように、変化の激しい時代において、大学が硬直的であることは、学生の未来に大きな影響を及ぼしてしまいます。
一方大学としても、休学を無料にしてしまうと、休学した学生がそのまま退学した場合、収入が減ってしまうわけですから、ビジネスとして苦しくなってしまいます。
ただでさえ少子化問題があるなかで、大学も苦しいのです。ただ、大学、特に私立大学はサービス業であると捉えたときに、もっとユーザーファーストであってもよいと思われます。
学生の夢や志を応援する大学であれば、自然と学生も集まることでしょう。そういう競争原理が働けば、日本の大学はどんどん良くなっていくでしょう。
昨今の大学無償化の帰結として、大学側に競争原理が働かなくなってしまうことに、危機感を覚えます。もちろん、大学無償化自体は若者としては賛成なのですが、大学教育の質を落とさずむしろ向上させていくために、何ができるのか。我々は考えていかなければなりません。
僕自身、この問題を、行政や企業に訴えていきたいと思います。
This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)