僕にとって、「プレゼンテーション」がまさにそれでした。忘れもしない、6年前のインターン先の事業提案プレゼンで大失態。ジブリのカオナシよろしく、「あっ…アッ…」しか話せずに泣き出すっていう笑 そんなハイパーコンボをかますくらい苦手だったのですが、どうにかこうにか今では1000人の前でもちゃんと話せるくらいには、形になりました。
そこに至るまで、6年間、どんなプロセスを踏んだのかは、何かの参考になるかと思い、ちょっとシェアさせていただきます。
1、プレゼンが上手くなりたいと、本気で思う
カオナシ事件が複数回続くと、さすがに自分に嫌気がさしてきたので、本気でなんとかせねばと思います。人間、本気でそう思うと、今まで見えてなかったチャンスが目に入るようになります。僕の場合、それはTEDでした。
2、敵の総本山に奇襲をしかける
そうなんです、何もわかっていない僕は、TED(スティーブジョブズなどもプレゼンしているあの動画サイト)の日本版がプレゼンテーターをたまたま募集してるのを発見し、即応募したのです。
審査結果は勿論ダメでしたが、TEDのレセプションパーティに参加したご縁で、プレゼン名人にご指導していただくことができました。総本山奇襲をすると、いいことあるぞ、というのは実は20代若者の鉄板法則かもしれません。
3、型をもとに苦手の原因を発見し、自分で解決しようとする
総本山に奇襲をしかけると、秘伝の「型」を教えてもらうことに成功します。すると、「自分に何が足りないか」がわかるようになります。僕の場合は、「自分が話をしている内容に自信を持つ」ということでした。闇雲に練習するより、型をもとにしたほうが10倍効率がいい気がします。
ということで、自分の話す内容に自信を持つため、自分のプロジェクトをこの時期から始めるようになります。すると、また縁があって、IVSという起業家のサミットの懇親会で話す機会をいただくことができました。課題を解決しようとすると、チャンスが後追いでついてくる、いい事例だと思います。
4、ボコボコにされ、身の程を知る
型を知り、ちょっと上手くなりだすと、人は調子に乗るものです。そのタイミングでボコボコにされると、謙虚に努力を積み重ねられるようになります。僕の場合、IVSでの懇親会でのプレゼンで注目を集められず、また悔しくて泣き出す事件がありました。
自分がやっていることと、その伝え方がいかに未熟なのかを思い知りましたし、「やってやる」というモチベーションが湧いたことは言うまでもありません。
5、ひたすら修行に励み、自分の型を見つける
ここから先は、ひたすら鍛錬です。割と無理をしてでも人前に出る訓練をします。その中で、自分の「型」なるものが見えてきます。
どうやら僕は、自分の想いを一方向に伝えるよりも、会場とコミュニケーションを取りながら巻き込んでいく「ファシリテーション型」のほうが圧倒的に得意だということが判明しました。
あとは、自分の型に従って、それを伸ばしていくだけです。
6、異分野を取り入れる
メインが伸びてくると、サブも伸ばしたくなります。声質が良くないのでボイトレに通ったり、身振り手振りの表現力を身につけるためにダンスを習ったり。
すると、今までになかった自信も身についてくるし、さらに高い次元のステージも見えてくる。例えば、ボイトレで習うのが、自分の周りの空間の空気のどこを震わせるかで、自分のオーラとか雰囲気を調整できるようになるとか。
そんなかんじで、僕は今では1000人の前で話すのも苦では無くなった。以前のカオナシの自分からしたら考えられないことだ。この間、まる6年。
どんなに苦手なものでも、本気で「上手くなりたい」と願い、考え、行動しつづければ、上手くなる。もちろん、天才の壁は超えられないかもしれないけど、ある程度のレベルなら、余裕で超えられる。
今日はそんなことを伝えたくて、一筆を取りました。やってやりましょう。
This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)