哲学

一番ワクワクして、一番つらい選択がベスト

 若いうちに楽していいことなんて、一つもない。勉強だって、運動だって、アートだって、ビジネスだって、若いうちから頑張った人が、結局のところ成功しているじゃないですか。

 ここで言う「つらい」っていうのは、「嫌々やる」って意味ではない。心の奥底ではワクワクしながらも、それを誰もやっていなくて不安だったり、リスクがありそうだったり、長い時間がかかりそうだったり、周りから反対されそう、ってことを言う。

 例えば、受験勉強もその一つだと僕は思っています。自分の将来や楽しい大学生活を夢見て、ハイレベルな志望校に合格するため、一日何時間も勉強するその姿は、まさに「一番ワクワクするもののために、一番つらい選択をする」というものではないかと。

 僕は、現役の時センター足切りだったけど、どうしても東大行きたくて、一浪してギリギリ滑り込んだときも、今思い返せば「1年間がんばって本当によかった」と心の底から思っています。この大学で出会った仲間や先輩、学問も、今の自分を語る上では、外せないものばかりです。

 同じように、就職企業選びや、インターンや、留学もそうだと思います。そこで楽な選択肢を選んでしまうと、ろくなことになりません。楽な選択肢=自分が今できる範囲のことしかしない=現状維持=将来的には衰退 というルートが待っています。

 また、わくわくしない選択肢に身をゆだねても、わくわくしてやってる人に比べてパフォーマンスが落ちるので、同僚やライバルに負けてしまうのも、よくあることです。

 一番ワクワクするけど、一番つらい選択をするときは、身が震えます。まるでバンジージャンプを飛ぶ直前のような恐怖とワクワクが、同時に襲ってきます。でも、それでいいのです。それが、正解なのです。

 ただ一つ気をつけたいのが、そこに「甘え」や「逃げ」が無いかということ。例えば、「世の中を広く見るために、休学して親の金で世界一周するぜ!休学するリスクとったぜ!」みたいなのは、大抵いい結果をもたらしません。世の中を広く見るためだったら、世界の現地住民を支援するNGOでインターンして点々とするとか、自分で海外で働きながら金を稼ぎながら世界を廻るとか、色々ともっと最適な方法はあるわけです。それをせずに、甘えて楽な選択肢を取ると、まあ、微妙な結末がまっているわけです。甘えや逃げは、バンジージャンプの紐に、切れ目をもたらします。

 きついことを言っているかもしれないのだけど、有名になったり、お金持ちになったり、大きなことをしたり、世の中変えたり、俗に言う「成功」みたいなものって、まあそういう選択を取り続けた結果生まれるものですよねー、ってのは、この27年間生きた身としては思ったりする。同世代のそういう人って、大体そんなかんじだもの。

 とりあえず、人生の選択に迷ったら、二つの質問を自分に投げかけてみよう。「その選択肢に、わくわくしてる?」「そして、それは自分にとってつらい選択かな?」そんなかんじで今日は失礼したいと思います。ではでは。

 

This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)