まあ、とりあえず、この資料を読んでくださいな。タイトルは「21世紀からの日本への問いかけ」だ。経済産業省の若手官僚と官僚の頂点に君臨する次官が、「日本ヤバくね?」という危機意識からつくりだした資料だ。これから就活をする皆にとっては、目ん玉が飛び出るような示唆に溢れている。
リンクはこちら→http://bit.ly/2fGUCgW
ちょっと長いので、僕が勝手に要点をまとめると
1、AIやIoTにより、第四次産業革命がやってくる。
2、働く人が要らなくなる。格差拡大待ったなし。
3、戦後築いてきた日本のシステムは実は仮のものだった。
4、日本の強みを再確認して、システム改革を行うべき
みたいなかんじだ。議論では仮説が多く、確定的な議論はなされていないが、若手官僚が有識者とともに5か月かけて作り上げたこの資料を否定できるほどのロジックを皆が持っているのなら、教えてほしい。少なくとも、いったんは受け入れてみよう。
では、就活にあたって、気になるところをピックアップしてみよう。
◆無人化のインパクト
メーカーの工場は、無人化が進んでいる。要は、人がいらなくなっているのだ。急ピッチで。メーカーに就職希望の皆さん、大丈夫ですか?そもそも付加価値自体がモノから情報に移るなかで、どうしてメーカーなんですか?泥舟に、乗ろうとしていませんか?
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工業全般 46人→14人 (1989→2014)
電子部品・デバイス 90人→31人 (2002→2014)
情報通信機械 141人→46人 (2002→2014)
輸送用機械 75人→55人 (1989→2014)
電気機械 84人→57人 (1989→2014)
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◆格差の拡大
格差の拡大に関しては、以下のように述べられている。二極化の上のほうへ行くには、どんなスキルや仕事が大事か、知っていますか。
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第3次産業革命までは、製造業の工場労働に支えられ、分厚い中間層が生まれることで、経済成長と公平性が両立できた。
今後、労働代替と、世界の均質化が進めば、二極化による中間層の没落や格差の拡大が進むのではないか。
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◆グローバル化の中での日本の強み
に関しては、以下のようにのべられている。皆は、自国の文化や価値観をどれだけ認識し、どれだけ体得しているのだろうか。少なくとも、日本にずっといたら、日本の何が特別かなんて、わかりやしないだろう。
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今後、グローバル化とデジタル化によって世界が均質化していく中で、我が国の価値観・文化が有する「差異」が、ヒトやモノを通じた世界との相互作用の中で新たな価値を生み出す可能性があるのではないか。
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◆社会人の「学びなおし」に関して
学生が終わったらもう勉強しなくていいと思っていませんか。残念なことに、そんなことありません。それどころか、時代についていくために「学びなおし」をしなければいけないそうです。企業に入ったら、ぶら下がって一生安泰みたいな神話は崩れたみたいです。以下引用。
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我が国は諸外国に比べて、社会人の学び直し(Off-the-Job Training; Off-JT教育)に対する公的支出も低い。第4次産業革命により、我が国のOJT(On-the-Job Training)の機会が少なくなる中、Off-JTによる学び直しの機会を拡大させることも重要なのではないか。
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◆時代に求められる人材に関して
AIが発達する時代に求められる人材は、以下の通りだ。皆さんは、いくつ当てはまるだろうか。殆ど当てはまらないようだと、相当ヤバいのではないだろうか。
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英語力
プログラミング能力
多様性への寛容
自主性
分析能力
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①自然との調和
②「場」の重要性
③暗黙知の重要性
④矛盾への寛容性
⑤若者発文化
いかがでしょうか?もちろん、経産省の言っていることを鵜呑みにするのも良くないですが、精緻にデータを分析した結果、少なくとも、彼らはそう考えているみたいです。
皆さんは、どう考えていますか。まさか、こういう大きなトレンドを踏まえずにキャリアを選択するなんて、「自殺行為」に等しいのではないでしょうか。自己分析、企業分析、業界分析だけじゃなくて、社会分析も大事っぽいですよ。
This article is produced by 喜多恒介(株式会社キタイエ・代表取締役)